Company 代表メッセージ

信念“こだわりをつづける”

 池口家は、“匠の血脈”を綿々と受け継いできた家系であります。祖父系は、徳川将軍家伝来の国宝『三日月宗近』を制作した名刀工、小鍛冶宗近の血脈を受け継いでおります。また、祖母系は、1571年に御所の織師に任命された井関宗麟の末裔であります。業界全体がコロナ禍において先細りしていく中で、多くの親族たちが業界内で活躍をしております。いい意味でライバルでもあり、また非常に心強い存在でもあり、ご先祖様には心より感謝しております。

 私は、和装業界にお世話になって25年になります。本当に心から思うことは、それぞれの工程に“匠の技”をもったこだわった方々がおられます。全工程を少しずつ学ぶことは出来たとしても、全工程で匠の水準にまで上り詰めることは、不可能だと思います。これからは、大量生産して、商品を作るのではなく、“こだわり”を作り上げていくしか道はないと思っております。こだわりのある材料、こだわりのあるデザイン、こだわりのある職人、こだわりのあるお客様。全体で見れば商売に繋がらない少数派かもしれませんが、その空間に身を置き仕事に携わることに“こだわって”いきたいと思っております。

 先日、佐波理綴の作品を購入されたご夫婦のお客様が、パーティーもすべてコロナ禍で中止になってしまい、悔しいので、大好きなリヤドロと佐波理の帯を見ながらリビングでワインを飲んでいますとおっしゃっていたのを思い出しました。スマホで時刻が分かるのに高級腕時計を腕にまく。男性にとっての高級腕時計が目指すべき道だと感じました。ご先祖様に恥じないようモノづくりに励みたいと思います。

株式会社佐波理 代表 池口友啓

池口友啓(いけぐち・ともひろ)

1971年 「佐波理綴」創始者・池口定男の三男として京都に生まれる。1994年 同志社大学法学部卒業後、瀧定株式会社に入社しテキスタイルデザインを学ぶ。1997年 瀧定株式会社を退社後、株式会社佐波理に入社。以降、新デザインの開発から国内外における数々の展覧会の企画開催など、製造から販売まで佐波理綴の全てに従事。2002年 第46回京都府発明等功労者表彰 優秀賞受賞。2011年 佐波理綴二代目として代表取締役社長に就任。同年京都府開庁記念日記念式典にて、府知事より篤志者表彰を賜る。