About SAHARI

魅力

POINT1 輝き

POINT1 輝き

京都・西陣の織物作家 池口定男により開発された佐波理綴は、自然光の下では落ち着いた雰囲気でありながら、ひとたび室内照明に照らされると、内面から滲み出るような光彩を放ち、また光の当たる角度によってオーロラ現象のように色彩が変化して、幻想的な表情が生まれるところに最大の魅力があります。ただ単に金糸、銀糸を織り込んだものと違い、装う人の動きや照明の加減により、奥なるところから発せられる輝きは、他に類するものがありません。
ダイヤモンドカットをヒントに編み出された、このわずかな灯りでも輝く織技術を皮切りに、池口定男によりいくつもの表現の技が生み出され、40年の歴史の中で、12の技術が特許認定を受けています。

取得した特許一覧

綴帯地上に凹凸を表現する製織方法/模様部分が変化する織物 /ホグシ織製法 /当たる照明の角度によって輝きを増す織技法/名古屋帯で幾通りにも使用可能な綴帯/角度によって色彩の変わる帯/装飾用素材/隠し模様のある織物/立体化を醸し出す織物/擬絽擬紗織物/陰影模様を携えた織物/観賞用帯

角度により色彩が変わる織技法

色の三原色「赤」「青」「黄」でさまざまな色が生み出されることをヒントに、見える角度により色彩が変わる技法を編み出しました。

着物の地色を写し込む織技法

鏡のように周りの色を吸収する箔を、地組織の二分の一から三分の一、使うことにより、着物の地色が帯に映り込む帯の織技法。着物の地色によって色合いが変わるため、着物との取り合わせに苦労しません。

POINT2 再現性

POINT2 再現性

これまでの織物の技法は、精密さを得意としながらも二次元的な表現しかできませんでした。佐波理綴の技法では、「ぼかす」表現が可能になったことから、織物では表現することが難しかった、水、炎、空、風などまで表現することができるようになり、実際の風景を遠近法を使って絵画のように織り上げることができるようになりました。

パリのセーヌ河畔の風景の下絵(左)と織上がり(右)  
ナイアガラの滝の下絵(左)と織上がり(右)

隠し文様を忍ばせた織技法

この精緻な再現性をさらに発展させ、池口定男は隠し文様を忍ばせる技法を開発しました。きっかけは、池の砂地の上の玉砂利と水の中の玉砂利をどのように表現するか。ヒントになったのが大正時代の日本画家 福田平八郎が鯉を描く時に、風呂の中で自分の足を上下させて、水面からの距離で色が違うことを見つけて表現に活かしたというエピソードでした。同じように風呂の中で思考を重ねた定男は、精密に描いた水の外の玉砂利と「ぼかし」で描いた水中の玉砂利を組み合わせて、見る人の角度により、水中の玉砂利が見え隠れする技法を見出し、より写実性を高めることに成功しました。

仙洞御所 作:池口定男

POINT3 利便性

POINT3 利便性

佐波理綴が誕生して40年。これまでお客様の声を参考に、さまざまな工夫を手がけてきました。

  • 賑具留佐波理シリーズ

    (旅先でも簡単に結ぶことができる帯)

    「旅先の鏡の無いところでも短時間に結べるような帯はないの?」というお客様の声から、軽くて結びやすく、丸めて持ち出すことができ、柄合わせの不要な帯を開発しました。本袋帯の縦糸4600本(上2300本、下2300本)を上下くっつけて帯芯を不要とし、袋帯ながらその重量は450g。軽くて大変結びやすいとご好評をいただいています。

  • 春夏秋冬佐波理シリーズ

    (オールシーズン使うことができる帯)

    「透けない夏帯はできないだろうか」というご要望がきっかけで、表面は袷の着物に合わせて春・秋・冬に使用することができ、その裏面はメッシュなどを織り込んだ夏用の帯になる技術を開発しました。

    ※ひとつの帯で表面は春・秋・冬用(左)に、裏面は夏用(右)の帯として利用が可能

  • リニューアル佐波理シリーズ

    (生涯使うことができる帯)

    「家庭の畳は裏返したら新品に変わるけど、帯も同じようにできないの?」という80代のお客様からの声がきっかけで開発。通常の帯の内側は、横糸が張り巡らされて表面にすることができませんが、佐波理はこの裏側に糸が渡らないように織り上げる技術を生み出し、裏表を逆にして新品同様にお使いいただける帯を具現化しました。裏面も表面と同じように気をくばりながら織り上げるため、手間暇が倍以上になりますが、生涯使うことができる帯としてお喜びいただいています。